お知らせ
昔の葬儀が正しいと言われる人がいますが
私が葬儀業界に入ったころは、22歳の世間知らずの人間でして葬儀自体も、親・兄弟が死んだときに、とんでもなくお金かかる儀式をしなければならない。 などの認識しかなかったのですが、葬儀の現場に入り経験を積む中で家庭や世帯の事情で葬儀の幅に大きな差があることは理解できるようになりました。
徐々に「家族葬」という葬儀形式が認知されるようになっていく中で、葬儀社を始め業界各社は「どうしたら葬儀の規模・金額の維持をできるのか」と考える会社が殆どでした。 その中で「昔からの伝統の・・」とか「地域の風習として・・」や「先祖を大切にするなら・・」などの、葬儀の規模を維持させて一般葬がどの家庭にとっても当たり前と思い込ませるための宣伝文句を出していました。
昔ながらの葬儀には理由がありますし、時代に合っていたからその葬儀のやり方が地域に根付いていったのだと思います。 しかし、昔と言っても10年で一昔という人もいれば、50年・100年 ひょっとしたら人類最古の葬儀のやり方を言うのかもしれません。 日本で古い記録に残っている弔いは、天皇家の記録になります。 さすがにそれを真似することはないでしょうが、江戸時代程度なら絵・文献で残っています。 でも、現在で江戸時代の葬儀を再現してしようなんて人はいると思えませんし、環境なども違っているので不可能かもしれません。
多くの人がいう「昔の葬儀は・・」は多くの場合 その人の記憶のある範囲(80歳の方の話なら70~75年前くらい)で最も古い記憶を指していると思います。 その頃の葬儀の形式を正確に覚えていたとしても、葬儀社には再現することは出来ないと思います。 昭和20年代くらいまでは、葬儀は地域の人が世話人(お取り持ち・組の人などとも言うようです)として、総出でお手伝いをいただき弔いをされていたからです。 その当時は葬儀屋は存在せず、早桶屋とか輿屋とか葬儀の道具を制作・販売・貸出が仕事でしたので現在の形の葬儀社とは仕組みが違います。