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家族だけでの葬儀を希望された方

私がまだ霊柩車会社に在籍していた30歳くらいの時(20年ほど前)にキャディラックの霊柩車で出棺に行かせていただいた葬儀は、当時では珍しい「家族の方だけ参列する葬儀=家族葬」でした。

葬儀式場での葬儀が当たり前になってきている名古屋市の高級住宅街と言われる地域の、立派な門構えで黒い塀に囲われた日本家屋が葬儀式場でした。 自宅近くは大きな家ばかりでお店や有料駐車場なども無く、かなり静かな場所で家の前には供花や大きな看板なども無く、自宅の前に葬儀社の車が止まっていたのが目印でした。

出棺時間の30分前に着車して、インターフォンを鳴らそうか迷っていると葬儀社の担当者が来られて、出棺コースの打ち合わせやお客様に関する注意事項などをお聞きして、ついつい気になった「どうしてこんな高級住宅の人が密葬みたいに葬儀をされているのですか?」と聞いてみますと、「故人の遺言があったらしくて、本来ならお寺でも借りて社葬や、密葬の後にお別れ会などをするくらいの方だったけど、家族の方も説得されて家族だけで葬儀を行う事を約束したので、こういった形の葬儀になった」「もっと祭壇や品物・生花も出て、売り上げも期待できたんだけどね・・」との事でした。

出棺の際にもご家族(ご遺族)の方は3人だけで、奥様と娘さまと弟様だけでした。 ただ、葬儀自体は質素簡略にしたけれど、霊柩車くらいは車が好きだった故人の事を考えてキャディラックのリムジンタイプにされたそうです。 故人様が葬儀に対して「死んでから大金をかける必要は無い」「生きているうちに十分楽しめたので、死んでからの葬儀などは家族だけで質素にしてくれ」と奥様も子供達も聞いていたので、最後の言葉だと受け取って家族葬となったそうです。