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お葬式業界の30年前と今

私が葬儀業界に入った頃は、葬儀バブルともいえる状態だったのだと思います。  大手・老舗と呼ばれる葬儀社は、大きな葬儀専用ホールを建て始めていましたし、祭壇も高さも幅も大きく・飾りやお供えも大きく立派にすることが正しい価値だったのです。

30年前は、名古屋市でも自宅葬や集会所での葬儀は普通であり、特に自宅で飾れる祭壇は高さ・幅共に制限があるので、葬儀専用ホールへ連れてくることが式場を運営している葬儀社にとっては一次目標になっていました。  その頃の祭壇は高さは2.4メートル 幅1.8メートルくらいが普通でしたが、式場の舞台では3~4倍の幅があり、高さも3メートルを超えますので、今までの祭壇では「小さく見える」事で、大きくて立派な高額な祭壇が当たり前に選ばれるようになりました。

しかし、リーマンショック辺りから葬儀代金が高い・僧侶へのお布施が高いなどと感じる方や、老老介護や8050問題(80代の親が50代の子供の面倒を見る)などが社会的に問題となってきて、葬儀へ幾らでも予算を掛けることは正しいと思う人は減ってきました。  そして家族葬と言う言葉(形式)が一般的に知られるようになってきました。 参列者が少なくなり、食事の簡略化や返礼品を無くすなどとなる中で、祭壇自体も小さくて十分だと思う人が増えてきました。

家族葬が増えてきた=売り上げが下がってきた葬儀社は、出来るだけ維持をする為に、小さくても価格が高い生花祭壇(生花の使いまわしが出来ない)を導入して、人件費を下げながら売り上げを維持するなどの経営努力を始めました。  しかし、以前の半分以下となる100万円以上の支払いでも、まだまだ葬儀が高いと感じる方や、祭壇や宗教者などを不要だと思う人が増え始めて、直葬(通夜・葬儀をしない)を選択するようになり、今では都会を中心に日本中へと葬儀の少人数化 小規模化 低価格化は浸透してきています。

ですが、今でも豪華で多数の戦列者の葬儀もありますし、家族葬でも親戚を含めると50人以上が参列する葬儀を選ぶ人もいます。  世帯の事情や考え方などで、葬儀の形式を選ぶ時代に入ったのだと思います。