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30年以上同じ車を乗り続けた人の話

この話は、とある雑誌に載っていた話で、うろ覚えの部分がある事を御許し下さい。

子供が生まれる年に、一年奮起で欲しかった車を購入された方が、息子様が免許を取得された時に「乗るか?」と聞いたそうですが、もう古い車ですしマニュアルシフト・手間がかかるなどを考慮して、息子さんは「自分で購入するから」と断ったそうです。

そのお父さんが、体調を崩されて入院することになった時に「手間がかかるから手放そうと思う」となったそうですが、息子さんが「退院した時に乗る車が無いと困るだろう」「入院中は自分が面倒みる」と自分の車以外に、お父様の愛車の面倒も見ることにしたそうです。

しかし、残念ながら退院が出来ないままお父様が亡くなってしまい、息子様が「お父さんの愛車だけど、廃車か売却しようか?」と考えるようになった時に、お母さまから、息子様が生まれる時に何故?愛車を購入することになったのかを聞くことになりました。 お父様は「息子なら大切に乗って渡したい、娘なら嫁に行った後も車がある事で繋がりを感じれる」と、本音なのか車が欲しい言い訳なのか分からなかったけど、そう言っていたと教えてもらえたそうです。

その後、お父様の愛車イタリア製の真っ赤な車は息子様が「自分が乗ることにする」と決めたそうです。 かなり手間がかかるし、部品が少ないとか修理費用が必要だとか、普通に乗るなら今の車の方が圧倒的に楽だったけど、お父さんの思い出と、当時の話を聞いて「自分が乗ることで、お父さんが安心できるなら良いじゃないか」と考えるようになったそうです。  売却をすれば新車当時の価格の倍以上のプレミア価格で売却が出来ると聞いたし、車好きの人に乗ってもらう方が大切にしてもらえるし、車にとっても良いのじゃないかと思ったそうです。

毎日の通勤等は難しいけれど、天気の良い休みの日などは出来るだけ自分の愛車となった車に乗っているそうです。 車を相続した話で、珍しくもない話かもしれませんが私は「とても良い話だな」と思いました。